「ビジネス・フォー・パンクス」から学ぶスタートアップの心得6選


スタートアップを目指す人で、「BUSINESS FOR PUNKS/ビジネス・フォー・パンクス」という本を読んだことが無い人は、今すぐに手に取って確かめてほしい。とにかく刺激的で、勇気づけられる一冊。

この本の著者はジェームズ・ワット。 英国を代表するクラフトビール会社BrewDog(ブリュードッグ)の創設者。手元の300万円ではじめたクラフトビールの会社が、クラウドファンディングで資金を集め、発足から8年で70億円を売り上げるまでになったという奇跡の実話が書かれている。

パンクロックのごとく破壊的で創造的

この本は、創業者自身が書いているだけあって、一つ一つの言葉が情熱的でメッセージ性が高い。小規模企業やスタートアップに対して、計画書をいちいち確認するより瞬間的に判断する方が重要と唱え、「先の計画なんて立てず、今、全力を尽くすことだ」という言葉は、まさにビールのごとく痛快で爽快。
一方で、組織の成長やチーム作りにおいては慎重かつ情理的。社員は自分が成長してると感じているときに、最高のパフォーマンスを発揮し、問題が起こると自分の力を発揮し世界に自分の能力を示すチャンスがきたと考える。問題など問題でない。問題に対する人の姿勢こそ、本当の問題だと説いている。
また情熱や信念といった抽象的なことばかりではなく、“会計”の大事さも同時に説いている。そういった意味でも、特に創業期の会社にいる人や、スタートアップにこれから臨む人たちは必ず読んでほしい。そこで、この本から学べるスタートアップの心得ともとれる言葉を抜粋して紹介する。

1.始めるのはビジネスじゃない。革命戦争だ

If you’re thinking of starting a business, the overwhelming likelihood is that it will fail.
起業を考えている連中に言っておくが、圧倒的な確率で起業は失敗する。

会社は失敗する。会社は死ぬ。会社は忘れられる。だが革命は死ぬことはない。だったら会社ではなく、革命を始めればいい。今はもう、ただ会社を始めるだけでは成功しない時代になっている。明確な目的と使命、存在理由が求められているのだ。会社が世の中に影響を及ぼせるようになるまで生き延びたければ、まずは心揺さぶるような革命の戦いをビジネスの核に据えることだ。

2.キャッシュこそ絶対王者だ

Profit is not king. It isn’t even prince regent.
一番大事なのは利益ではない。利益は№2ですらない。

利益はただの手段であって、目的ではない。会社が潰れる理由は常に資金繰りだ。キャッシュが尽きたという理由で、収益力がある会社が毎日数えきれないほど潰れている。社員の給料も、借金の返済も、原材料の代金も、家賃も利益では払うことはできない。どれもキャッシュでなければ払えない。キャッシュは絶対王者だ。キャッシュフローから目を離さず、キャッシュフローを増やす画期的な方法を常に探らなければならない。

3.顧客ではなく、ファンをつくれ

By engaging and connecting with consumers, you can recruit them to your crusade.
顧客と関わり合い、つながることで、革命の戦いに加わってもらえる。

僕らは初めから完全に開かれたやり方をしている。そして顧客に扉の中まで見せることで熱烈な支持を得てきた。信頼は与えられるのではなく、積み重ねるもので、心を開き、誠実に、隠し事をせず、顧客と関わっていくものだと肝に銘じている。そして、コミュニティーづくりを始め、顧客をファンに変えることは、どの分野の会社にも必要だ。コミュニティーが無ければ、またファンがいなければ、ブランドも会社も長くは続かない。堅く結束したファンたちが少しでもいれば、世界を変えることができる。

4.信じて踏み出すことで、自分の世界ができる

You need to set the pace your buisiness moves at; you can’t let others dictate this to you.
自分の会社のスピードは自分で決めることだ。他人に決めさせてはならない

ブリュードッグはいつも、成功するかも、どんな展開が生まれるかもわからないまま行動している。完璧な解決策が出るのを待たず、事前調査もせず、ただ正しいと感じることを実行し、自分たちは行動を成功に結びつけられるチームなのだと信じている。そして、行動することで状況がはっきりして、それが次の行動に繋がる。こうすることで、行動の循環がどんどん早まり、事業の推進力が生まれるのだ。

5.カオスは友達だ

If you don’t have a healthy amount of disorder and internal mayhem, then you are not pushing hard enough. So push harder.
適度な無秩序や内輪の揉め事が起きないのは全力を尽くしていない証拠だ。もっと頑張らないといけない。

急成長を遂げている間は、常に変化し続けることになる。成功にたどり着くまでのジェットコースターのような旅では、カオスも友達だ。カオスも、混乱も、無秩序も、急成長中な会社にとっては避けて通れない。付き合いながら、受け入れ、カオスの中で力を発揮できるようになるしかない。限界を超えた分だけ、生き延びられる可能性、そして使命を果たせる可能性が高くなるということを、チームに理解させなければならない。

6.情熱を持ち、自分を貫け

Earlier in the book, I told you to ignore advice. That, by default, includes all the advice in this book.
本書でぼくは、人のアドバイスは聞くなと言った。それは、ここに書いたことすべてに無条件で当てはまる。

だから、あなたがもし本当に賢明な人なら、本書全体を無視すべきだろう。参考するも、しないも、好きにしてもらっていい。ただし、何か行動は起こしてほしい。それから、とにかく楽しむことを絶対に忘れてはいけない。

まとめ

この本で書かれているパンクとは音楽のジャンルではなく、生き方や考え方のコンセプトのようなものだ。そして、この本はマーケティングの本ではなく、彼の哲学と行動の結果をまとめた内容になっている。つまり、マーケターだけが読むものでは勿論なくて、自分でビジネスをしている人や音楽活動をしている人にも読んでもらいたい。

本の話とは関係ないけれど、ブリュードッグのPUNK IPAはめちゃくちゃ美味しいので、飲んだことない人にはぜひ飲んでもらいたい。飲みたい。

 
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